Q&A

疑問解決コーナー

Q10. 原水に石灰成分が多いのですが、生物浄化法で除去できるのでしょうか。(質問者:Mr. K.)
中本 信忠氏* が生物浄化法(緩速ろ過法)を行うことにより栄養塩吸収→酸素生産→炭酸カルシウム折出→軟水化と、説明しております。軟水化?ということは石灰成分もある程度除去できるということなのでしょうか?
(Mr. K、ブータン)
A10.宮古島に緩速ろ過内の藻にカルシウムが析出した事例が・・・
私は、ボリビアで緩速ろ過をやっていました。原水は、浅井戸・ため池・河川水で試してみましたが、それぞれ硬度が100mg/LCaCo3 で、処理水後の硬度はほとんど変わりませんでした。中本教授の書籍に紹介されているのは、宮古島の浄水場の例だと思います。
参考までに中本教授のブログです。
http://blogs.yahoo.co.jp/cwscnkmt/31603065.html
宮古島の例で緩速ろ過内の藻にカルシウムが析出するのは確認できたそうです。しかし、具体的な数値には触れてないのでなんともいえない感じです。
(堀江俊樹、首都大学東京大学院)
A10-2.高濃度のカルシウムを生物処理で多段ろ過といった方法を取らない限り石灰除去というレベルまで劇的に減少させるのは難しいのでは・・・
緩速ろ過による石灰分除去の実例があるんですね。
ただ、短い時間で高濃度のカルシウムを炭酸カルシウムとして除去できたとして、表面に炭酸カルシウムの膜ができて、目詰まりが生じるのではないでしょうか。緩速ろ過の経験がないので、なんともいえませんが。あと、藻類が増殖して光合成が盛んになると、水中の炭酸成分を消費して、カルシウム分が炭酸カルシウムとして沈殿する量も減るように思います。いずれにしても水が流れている状態での話なので、高濃度のカルシウムを生物処理で、多段ろ過といった方法をとらない限り、石灰除去というレベルまで劇的に減少させることはむずかしいのではないのでしょうか。
(笹山弘 横浜市水道局)