Q&A

疑問解決コーナー

Q1.給水管から小さな生物が!?
市内の給水栓の水をチェックしたらNematodaとCoccomyxa、Amoebaが見つかりました。これで安全な水といえるのでしょうか?(質問者:Mr. P.K.)
A1.安全基準はありません。10 リットルに数個体程度なら大丈夫といえるでしょう

小動物、藻類の水道水に関する安全基準はありません。
それらは浄水場のろ過を抜けて配水管網に入り込んでいる場合と管路末端から入り込む場合とがあります。
多くの国ではNematoda(線虫類)なら10リットルのサンプリング水に3~4個体程度検出しても問題ないと経験的に判断しています。 研究機関等でNematodaが内部に細菌を持っていて人体に悪いのではないかと実験をしましたが特に悪影響があるという報告は今のところありません。 
Amoeba(アメーバー)もこの判断に準じて良いと思います。 ただし、アメーバー赤痢の原因となるEntamoeba histolyticaという種類もあります。これは塩素に弱く残塩があれば生存できないので残塩のチェックが重要です。 
藻類の場合は10ミリリットルのサンプリング水 に5~6個入っていても問題ないと経験的に判断しています。Coccomyxa(コッコミクサ)は緑藻類で塩素に耐性があります。人体への影響は特にありません。
しかし、藍藻類のMicrocystisが産生する藻類毒の一種Microcystinは日本の水道水質基準の要検討事項に入っています。この目標値は0.0008mg/L以下です。
これらの微小生物を水道水から完全に取り除くのは難しく、非常にコストがかかります。
生物数の把握と残留塩素の管理をしっかりすることが重要です。

Nematodaの図
体長
1~3mm程度

Coccomyxaの図
長さ4~10㎛
幅3~5㎛

Amoebaの図
体長
0.02~0.5mm

佐々木 (回答者:佐々木真一・横浜)